痛み・疲労・肥満と闘う情報サイト!『健康への道しるべ』 | |||
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【線維筋痛症のについて】 |
■全身に激しい痛みが生じる病気である。 ■【原因】原因は不明であり、通常の医師が行なう血液検査では異常が現れない。CTスキャン、MRIを検査しても異常を発見できない。また、この病気が診断できる特別な検査は今の所なく、治療法も確立されていない。 【特徴】男性より女性が7倍と多く、中高年に発生率が高いと言われている。しばしば膠原病などの自己免疫疾患を併発する。 |
【線維筋痛症の概要】 |
■【まず痛み】全身の耐え難い恒常的な疼痛(慢性的、持続的に休みなく続く広範囲の激しい疼痛)を主な症状としている。 ■【次に疲労を多岐にわたる症状】全身の重度の疲労や種々の症状をともなう疾患である。 ■【変動性がある】症状は季節的変動、日中変動があり、全身移行性である。常時全身を■【疼痛の程度】激痛が襲い、慢性疼痛の様を呈する。 僅かな刺激(爪や髪への刺激、服のこすれ、音、光、温度・湿度の変化など)で激痛が走ることも特徴である。 ■【不眠症】患者の90%以上が不眠症状をもつ。 ■【日常生活への影響】痛みと疲労感、不眠により、患者は日常生活が著しく困難になる。 |
【線維筋痛症の呼称について】 |
■【呼称】英語ではFibromyalgiaもしくは Fibromyalgia Syndromeと呼ばれている。略語はFMSやFMが使われることが多い。 |
【多岐に渡る症状】 |
■主な症状・・・関節と全身のこわばり、疲労感、全身のひどいだるさと倦怠感、四肢の脱力、不眠と睡眠障害、頻尿、下痢、月経困難、生理不順、過敏性腸症候群などの機能性胃腸障害、微熱、頤神経麻痺、筋力と運動能力の低下、筋肉の激しい疲労、むずむず脚症候群が挙げられる。 |
■重度の例・・・嚥下困難を起こすこともある。起き上がれず、歩けなくなる、などの身体症状の他、悪夢、焦燥感、不安感、抑うつなどの精神的症状やうつ症状、判断力、思考力の著しい低下、記憶を失うほどの痛みにより認知症のように記憶がなくなる深刻な症状も報告されている。 足の痛みで歩けないという訴えも多く、足、手の先の冷感や灼熱感、ドライアイ、リンパ節の腫れと痛み、四肢こわばりとだるさ、関節痛、レイノー現象、光線過敏、脱毛、シェーグレン症候群、自覚的な関節の腫れなどの膠原病の症状を訴える患者もいる。 乾燥症状も有意に見られ、喉の渇き・声がれなどの症状も多い。 |
【合併症と日常生活の悪化】 |
■整形外科系疾患・リウマチ・膠原病・脳脊髄液減少症などの疾患に加えて、線維筋痛症を合併して生じることもある。 |
※合併症と重度化・・・合併症がある場合は、自立して生活するには、かなり苦痛を感じていることになる。健康な時と比較すると、身の回りの世話なども痛みにより著しく制限されてしまう事が患者の苦痛として伝えられている。 |
【慢性疼痛と日常生活の悪化】 |
■首から肩にかけての痛みやしびれ、上肢の痛みやしびれ、腰背部の疼痛やこわばり感、臀部から太ももの痛みと張り感、膝から下腿の痛みやしびれ、眼の奥の痛み、口腔の痛み、頭痛などの様々な疼痛症状が起こる。 ■【慢性疼痛の特徴】慢性疼痛は対称性にではなく全身に散在して出現することもある。 全身移行性である。 |
※日常生活の悪化・・・慢性疼痛がある場合は、移動だけでなく座る・寝る姿勢という日常基本の動作姿勢への支障を来す。口腔の痛みなどは嚥下困難など、食事などにも悪影響を与える。慢性疼痛が全身を移行し、光り・音などの刺激にも変動悪化すす場合は、居場所が薄暗い静かな場所に限られるなど、活動範囲への支障にもなっている。 |
■結節・鎖骨周辺の痛み・・・患者の一部に検査により核抗体反応が高い場合膠原病、リウマチが疑われる。リウマチは膠原病カテゴリに含まれる病である。 |
【精神的及び身体的ストレスと理解されにくさ】 |
■【変動性と周囲の無理解】気候、環境によって疼痛箇所が移動したり、疼痛レベルが変化することもある。 ■【外見の正常性と周囲の無理解】痛みを訴えるが、診察しても患者に外傷がないため、正しく診断に結びつかないケースが問題になっている。 ■【検査結果と周囲の無理解】検査してもレントゲンや血液検査での炎症マーカーは出ない。 |
■【周囲との関係悪化】このため、患者は様々な症状を抱えて苦しんでいたとしても、目に見えない痛みが理解されない事になり患者を余計孤独にさせる。 ■【医療関係者との関係悪化】医療側との壁は厚く、しばしば怠け病や詐病と周囲に誤解される事も患者にとって深刻な問題である。 |
※このため、早急に適切な病名診断を正しく受けられることが求められている。 |
【誤診と予後の悪化】 |
■【痛み発作と誤診】患者の激痛・痛みによる発作・・・ストレスでパニック障害を起こす事もあるが線維筋痛症と理解されない間は精神疾患と誤診されることも多い。 |
※どこの医療機関でも痛みに効く薬が出ないため、患者は病院を転々とすることになることも多く、最高15回も病院を変えてきたドクターショッピングのケースも報告されていることから、いかに診断が適切にされていないかがわかる。 |
■【他の精神疾患との誤診】仮面うつ病、更年期障害、自律神経失調症、身体表現性障害などの疾患や、単なる不定愁訴と誤診される場合も多い。患者は始終どこかの部位を襲う痛みのため、寝たきりになってしまう事もある。 |
※適切に早期発見、診断、治療されれは予後は悪くないが、治療に結びつかない場合は予後は良くない。 |
【線維筋痛症の生活困窮】 |
■【就労困難】働けない生活に変わる患者の実態・・・体重の重みでも座位が苦痛、通勤では足が痛むなどの症状により、仕事を従来通り続けることが困難になるケースが多い。結果、失職を余儀なくされ、経済的に困窮しているケースが多い。 ■【医療・公的援助の不足】保険適用外の痛み緩和のペインクリニックなどの治療に費用がかかり、これが患者と家族をさらに経済的困窮に追い込んでしまう事が深刻な問題である。QOLとADLは末期がんの患者同様の病である。 |
※ 患者の痛みが理解されないことで家庭内不和、離婚、心中や自殺を図るケースも報告されている。 |
【診断の遅れと予後悪化】 |
■【潜伏する病気】発症までの期間、なんとなく風邪、なんとなくだるい、などの不定愁訴が続き見逃され、診断までに4-7年経過することが多い。 ■【引き金と悪化】トリガー(きっかけ)となるイベント(離婚・愛する者の死・介護などのストレス・職場でのいじめなどの対人関係ストレス・手術・外傷・出産・交通事故)に適応できない時に著しく悪化して激痛へと進むケースが多い。 |
※ 痛みが強まってからの予後は、適切に診断され早期発見できないままでは、日常生活が送れなくなる患者も少なくない。 |
【線維筋痛症の原因と諸説】 |
■原因・・・現在のところ原因は不明である。下記に諸説(仮説)をまとめる。 |
■【感染?】 ツベルクリン反応を見ると強陽性が出るケースがある。だが抗体検査やQFT検査においても陰性であり、肺所見、PCR検査、血液所見でも異常がなく、抗体検査やQFT検査にかからない結核菌・非結核性抗酸菌が潜んでいる可能性も示唆される。 ■【心身の痛みが引き金?】 事故、外科手術、膠原病などの自己免疫疾患、脊椎関節炎、歯科矯正治療、顎関節症、脳梗塞・クモ膜下出血などの脳血管障害、ガンによる疼痛、PTSD、妊娠・出産、ウイルス感染、感染症、化学物質過敏症、子宮内膜症、風邪、薬物中毒、米国では長時間の運転や湾岸戦争後遺症、肉体的又は精神的ストレスなど非常に多様な「痛み」がきっかけで発症しているのではないかと言われる。発端となった疼痛レベルも様々で軽い捻挫程度の痛みでも全身へと激痛が広がり悪化する場合がある。 ■【神経系の異常?】 中枢神経系及び末梢神経系の異常によって痛みの回路が変わり痛みを増幅させている。 脊髄内の末梢からの痛みの伝達を抑制する仕組みがストレス等により機能低下するとの説。 強い痛みが続くと、中枢神経細胞内に遺伝子が発現し、タンパクが生成されることが実験で証明されている。神経細胞の遺伝子が変異して書き換えられるという説もある。 脳の神経細胞(ニューロン)が電気信号を使って情報伝達する時の異常。 【遺伝的要因?】 アメリカの調査では家族内での線維筋痛症の発症率が高い事が分かっており、遺伝的な要因も考えられる。ポリジーン遺伝子群に関係するとも言われる。 【自己免疫の異常】 免疫異常が関わっているとも言われているが、自己免疫疾患から発する場合も単一抗体は確定していない。 【自律神経バランス?】 交感神経のバランスが崩れ過緊張を起こし、血管の収縮で虚血状態となった筋肉が酸欠状態となることで激しい痛みが発生する緊張性筋炎症候群が併発している場合もあると考えられる。 |
【器質的疾患ととらえる研究】 |
■器質的な原因としてグリア細胞が有力視されている。痛みを感知するニューロンを過敏にしているのは、グリア細胞と呼ばれる脊髄や脳にある別の細胞の働きによる事が分かっている。グリア細胞は脳へ疼痛シグナルを送るDRGと脊椎ニューロンを敏感にする様々な分子を放出している[グリア細胞はニューロンを監視し活動を促進させる重要な役割を担っており、同時にその活発化は神経の異常な過敏状態を長引かせ悪循環を起こす原因となっている。 |
■欧米の研究者の多くが、この疾患を器質性疾患と捉えており、神経内分泌と神経伝達物質の異常に関連付けている。又HPA軸の機能低下、セロトニンとトリプトファンの低下及びサイトカインの機能異常とインターロイキン、過剰なインターフェロンγなどに注目している。 ■2009年九州大学大学院薬学研究院、津田誠・井上和秀教授の研究グループにより慢性疼痛の分子レベルでのメカニズムが発表され注目を集めた。サイトカインの一種であるインターフェロンγが、神経障害の後に増加する事、又それによって脊髄ミクログリアにP2X4受容体が過剰発現してBDNFを放出する事、インターフェロンγとg受容体活性阻害抗体作製の課題を提示した。 |
※研究の意義 ■原因不明ながらも器質性(気の持ちようでなく、物質的な何かの異常がある)と研究が進められている点が希望です。 ■サイトカンは数百種類あり、「ほとんど仕組みが分かってない」というのが医学の現状。だから今の検査では、「仕組みすら理解できてないサイトカインの異常なぞ検査できるレベルではない」のです。 |
※だから「検査で正常」というのは、患者が悪いのではなく、医学の進歩がサイトカインを調べるほど進化していないのが残念という意味なのです。力になれなくて残念=》身を粉にして研究されている医療関係者は沢山います!一人ではないのです! |
【慢性疲労症候群と同一疾患だとした場合の仮説】 |
◆慢性疲労症候群の仮説◆ ・ストレスを引き金に神経・内分泌・免疫の異常が生じる。 ・特に厄介なのが味方であるはずの自己免疫システム(サイトカン)が、自身の神経中枢や代謝中枢を誤爆する。 ・結果、神経細胞機能異常が生じる。 ・異常な疲労感を生みながら、免疫・神経・代謝の全体が更なる負のサイクルに巻き込まれる。 病気の正体について研究中で、その仮説を裏付けするような実験結果が次々と出てきているのが現状です。仮説は正しいと言って良いと思います。 |
上記仮説が乗っている場所 文部科学省 疲労研究班 =》文部科学省報告済 報告内容 =》2.サブテーマ毎、個別項目毎の概要 |
※慢性疲労症候群の研究者も線維筋痛症の研究者も「サイトカイン」という物質を調べており、2つの病気の似ている理由のように思えたりします。そして研究の成果が上がり、診断治療とそして何よりも患者の苦しみが「理解」される日が来るように祈っております。 |
○ 線維筋痛症学会 (http://jcfi.jp/) |
※厚生労働省の研究班は平成21に閉鎖されましたが、引き続き専門家の皆さんが研究を継続されています。 |
※診療ネットワークのページがあります。 →線維筋痛症学会登録医療機関について都道府県別にまとめてありあす。お近くの専門相談窓口を探す手がかりになります。 |
○ 線維筋痛症(篠ノ井総合病院浦野医師) (http://fibro.jp/) |
※管理者おすすめのお役立ち情報HPです! →線維筋痛症の説明・最新ニュース・お役立ちリンク・アメリカの学会のリンクまであります! |
○ 線維筋痛症友の会 (http://www.jfsa.or.jp/) |
1.欧米FMS友の会との連帯計画 2.受け入れ先病院の強化&連帯 3.線維筋痛症における療養の手引きの作成 4.社会復帰の手助け などを長期的な目的に活動をされている線維筋痛症に関しては代表的で有名なNPO法人です。 |
※線維筋痛症の療養・ケアに関する参考図書のページがあります! |